【感想】「わかる」とはいったいどういうことか?
「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学 (ちくま新書)
読書理由
仕事やプライベートでの勉強などを通して、より効率的に問題解決や勉強するため。
期間
2日
感想
「わかる」とはどういうことなのかを脳に障害を持つ方々の診断(臨床医)をされている方が書いている。
そのため患者さんの事例を出しての説明が多い。
普段読んでいるビジネス書、自己啓発本とは異質な内容。難しい。
わかるの定義
- 「わかる」とは「分かつこと」。
- つまり分類すること。
- 区別(違いが分かり)して、同定(過去の記憶を参照し対象を特定)すること。
- 「わかる」は基本的に主観。
- たとえ間違っていても「わかった」となることもある。
- 「わかる」は心が「もやもや」な状態から「すっきり」すること。
要点は下記の3点。
- 「わかる」の分類
- 「わかる」ために必要なこと。
- どうやって「わかった」か?
「わかる」の分類
- なんとなくわかる(検討がつく。全体像)
- 整理してわかる(分類)
- 説明してわかる(話の論理が通るとわかる、時間的なつながりでわかる)
- e.g) 風が吹けば桶屋が儲かる
- 空間上の関係がわかる
- e.g) サッカー、野球などのボールの飛んでくる位置がわかるなど
- 仕組みがわかる
- e.g) 「自然の理」などの自分の外にあるもの。
- 規則(ルール)に当てはめてわかる。
- (5.)によって発見された先人の知恵など
- 規則は一つに限らない。複数の場合もある。
「わかる」ために必要なこと
- 前提となる知識
- 「わからない」ところと「わかる」ところを区別できる。
- 複数の情報のつながりをつくる。
- 時間的な流れ。全体の流れ。大局観
どうやって「わかった」か?
- 直感的にわかる
- 神が降臨する。(実際には無から有が生まれるわけではなく、自身の内の無意識の領域から答えが引き出される現象のようだ。)
- e.g) 物理学者:湯川博士の話。
まとまるとわかる
- ひとつひとつでは分からないが、時間の流れ(手順)や群れ(カテゴリ)にまとめるとわかる。
規則(ルール)を発見する
- e.g ) 心理テスト:カード分類法
- e.g ) クローゼットの洋服が色の濃淡順に並んでいることを発見する。
置き換えるとわかる
- e.g ) たとえ話
- e.g ) 知っている「ことがら」(=知識)で説明することでわかる。
どうやって活かすか?
独学による活かし方
条件
あたらしいことを習得したい場合を想定する。
大量のインプット
- 関連する用語を知る。
- 図解された絵をたくさん見る
- 体系的にまとめられている書籍などの読書。
アウトプットによる知識の構築
- 自力で図解する
- 自分の言葉で説明してみる。
- 全体の流れを知る。手を動かしてみる。
- 料理やプログラミングなら実際にやってみる。
- 手や体を動かすことで、身体で覚える。
メモ
一度だけのインプット・アウトプットでは定着しない。 何度も繰り返して「慣れる」ことで、長期記憶に定着させる。
細部(Detail)と全体の流れ(Outline)の両方を意識して勉強をすることで 「木を見て森を見ず」といった現象にならないようにする。